活動休止のお知らせとラブレター

こんにちは。
Qu-nel asobのじんです。

タイトルのとおりのご報告となります。
バンド「Qu-nel asob」が2019年9月をもって無期限の活動休止となりましたことを、ここにご報告いたします。

「活動休止」とオブラートに包んではいますが、実質上の解散と言って差し支えないかと思います。
ここ1~2年はほとんど活動できていなかったので今更感がなくもないのですが、改めてメンバー全員で話し合ってそのように決めました。

バンドに関わってくださった皆様、本当にありがとうございました。
バンドメンバー一同、心よりの感謝を申し上げます。

休止に至った理由としては、「音楽性の違い」だとか「メンバー間の確執」だとかではなく。
それぞれのライフスタイルやライフステージが変わっていく中で、自然とそうなったというところです。

まだ決まって数日のことではありますが、何度もバンドやメンバーのことを思い返しています。
そのたびに「口惜しさ」だったり「やるせなさ」だったりを感じるのではなく。
ただ甘い悲しさを感じて胸を痛められるのは、きっとバンドの終わり方としては幸せなことなのだと思います。

何かに似てるな、と思っていましたが、あれですね、失恋の痛みに近いです。
ときどき胸がいっぱいになって天を仰いでは、ため息をついたりなんかしています。

バンドというのは不思議な集合体だな、と思います。
音楽というものを媒介として集まりつつも、みんな目的やモチベーションは少しずつ異なっています。

そんなふうに違っていながら、毎週のように集まって、何時間か密室で遊び倒して、日常生活の合間にも曲をつくったり練習したり…。

改めて考えても、ものすごくエネルギーを使うことをやってきました。
そんな状態を6人もの人間が何年ものあいだ続けていられたこと自体、振り返ってみると奇跡のようなことだと思います。

特にQu-nel asobというバンドは、カリスマ的なキャラクターや音楽性を持った人が中心になっているようなバンドではありません。
私がリーダーというかたちでやってきましたが、発言権や存在感にメンバー間で違いはありませんでした。

だからこそ余計に、その状態で走り続けてきたことがものすごいことだと思えます。

実際、こんなメンバーが集まれたことは奇跡的なことだと、活動中もずっと思えていて、今も心から思っています。
みんな穏やかで心地よいキャラクターをしていて、それでいて音楽的にも尊敬できるメンバーたちです。

「どのメンバーが欠けたとしても、このバンドは成り立たない」と曇りなく言えるバンドでした。

シンセサイザーの久美子さん。

この人がいなければ、Qu-nel asobは存在できませんでした。
初期メンバーということもあるのですが。
私が「自分にバンドに向いてないのであろう」と諦めかけていたところを救ってくれた人です。
こうやって楽しくバンド活動を続けられたのは完全にこの人のおかげであって、足を向けて寝られない存在です。

音楽的な素養がしっかりありつつ、柔軟性に富んでおり、音選びのセンスも素晴らしい。
前に出てくるプレイでも、少し下がったプレイでも、とても面白い演奏をしていて、シンセの音だけを追って曲を聴くと毎回新たな発見があって楽しめます。

このシンセの響きがなくては、面白いバンドだと思いながら続けられなかったんじゃないかな、と強く思います。
いちばん最初に出会えて本当によかった、大好きな人です。


ギターの夏樹さん。

自分で言うのもなんですが、いちばん私のわがままに振り回された人だろうな、と思います。

「ロックっぽさは出したくない」「ポップだけどちょっと変わったことをやりたい」というバンドの裏コンセプトがあったので、ロックバンドの華であるギターは立ち位置がものすごく難しかったことでしょう。

そんな中、毎回悩んで悩んで悩みつくして、最終的に曲に最もフィットするフレーズを持ってきてくれる、まさに職人というギタリスト。
この人以外のギタリストではバンドも曲も成り立たなかっただろうなあ。

バンド最年長で、言うべきところはしっかり言いつつ、わがままも適度に受け入れてくれて。感謝しかないですね。
独特のこの愛されキャラは、よくわからん発言で場の空気を温めたり(凍らせたり)してくれました。

生活の多くをバンド活動に捧げつつ、こんなに素朴なキャラクター性を持った人は他にいないだろうなあ、と改めて思う大好きな人です。


ベースのアキくん。

彼だけ「くん」呼びです。
物事の捉え方や音楽観が近く、個性際立つメンバーが多い中で最も安心して話せる相手でもあります。
(彼自身も十分変わり者ではありますが…。)

音楽的にも勘がよく、違和感なくそれでいて面白いベースラインで、個性豊かな楽器群を支えてくれました。
私の不安定なドラムにも怒ることなく、しっかり合わせようとしてくれていたのは本当にありがたく。
そういう意味でもバンドが分解しないように陰に日向に支えてくれたメンバーです。

ときどきとてつもない名曲やユニークな曲を持ってきてくれて、作曲面でも重要なメンバーでした。
シニカルな発言をしつつも、みんなに気を遣える、大好きな人です。


ボーカルのさーやさん。

やっぱりQu-nel asobの「顔」だったなと思います。
のびやかで美しく、それでいて懐かしいような声は、聴いてくれた人からよく「ボーカルの人、良い声だね」と言っていただきます。
ステージでの華のある立ち居振る舞いもすばらしく、気遣いからくる明るくユーモアに富んだコミュニケーション力も含めて、外向けのバンド活動には欠かせないキャラクターでした。

メロディーメーカーとしても傑出していて、多くの曲ですばらしいメロディーを作り出してくれました。
美しい言葉のなかにハッとする毒を混ぜ込む、独特な切り口の歌詞をつくる作詞力も素晴らしい。

この子がスタジオに入ってくるだけで場の空気を明るくしてくれました。
MVのメインモデルとして撮影もしましたが、やっぱり絵になる。
強さも弱さも魅力に変えられる、大好きな人です。


小物楽器やパーカッションのあやさん。

いちばん最後に入ったメンバーですが、やっぱりこの人の存在もQu-nel asobというバンドには必要不可欠。

パーカッショニストとしての卓越したリズム感でドラムを支えてくれる一面もありつつ、一方で音階楽器も自在に操り、楽曲にいろんなスパイスを振りかけてくれました。
メロディーメーカーとしての才能も素晴らしく、歌の後ろで奏でられている鍵盤ハーモニカや鉄琴のメロディーの美しさにはいつも惚れ惚れしたものです。

かわいい楽器を見つけてくる名人でもあって、音楽のいろんなの角度での楽しみ方を教えてくれる人でもあります。
手先も器用で、バンドのマスコットキャラクター「くーねるちゃん」をフェルトで作ってくれたのは感動したなあ…。

1枚目のCD『初盤』録音時はメンバーではなかったものの、たまたまレコーディングのときにメンバー候補として会っていた、というだけでコーラスに参加してくれたので、クレジットには入っています。
そんな不思議な縁も、改めて考えると嬉しい巡り合わせ。

近くにいるとほんわかできる、大好きな人です。


などなど、一人ひとりへの思いを語ると、いくらでも書けそうな気がします。

べったりとした仲良しバンド、ではなかったと思います。
でも、お互い尊重し合って尊敬しあって成り立っている、心地よい関係でした。

スタジオで試行錯誤した日々の中で形作られた曲たちも、本当に愛おしい存在です。

最後に入ったスタジオで、思い出しながらいくつもの曲を演奏しましたが。
今も全曲、胸を張って「いい曲でしょ!」と人に言えます。

とにかく、一緒の時間をすごして、曲をつくって、演奏して、ときどきライブをして、自画自賛して、笑って…ということを繰り返す日々をこんな素敵なメンバーと過ごせて楽しかったなあ。

そんな日々の中でつくられた曲たちを、誰かがどこかで耳にして、「あ、なんかいいな」と思ってくれたらこんなに嬉しいことはないです。

食って、寝て、遊んで、笑って。
私たち6人の日々は、相変わらず続いていきます。

みなさまの日々も、穏やかに、緩やかに楽しく続いていくことを願います。
ときどき、その中で私たちのつくった曲が流れてくれたら嬉しいです。

メンバーみんな、大好きな曲たち、バンドで過ごした日々、聴いてくださった皆様、みんな愛してました。
改めて、本当にありがとうございました。

P.S.

とはいえ、つくりかけのMVなんかもあるので、またしれっと何か更新したりするかもしれません。

P.S.2

音源などは、各メンバーが少しずつ持っているので、もし欲しいと思っていただけるのであれば、誰かに声をかけてみてください。ジャケットすごくかわいいんです。

P.S.3

メンバーとは全く会えなくなるわけではないので、ラブレターとか書いちゃって、なんか気まずいような気もします。
まあいいか。みんな愛してるぜ!